制御のための簡単な二次のローパスフィルタ
二次のローパスフィルタ(LPF)の作り方です*1
カットオフ周波数を [rad/s] としたとき,次式で表されます.
元々は,二次遅れ系の伝達関数の標準形から来ています.
下式で とすると,上式と一致します.
はどこから来ているのか
で,を代入して,周波数領域で考えます.
さらにとして,固有振動数で規格化すると
ここで, のとき, のとき, のときで大きく特性を場合分けできます*2.
このうち, のときのゲインに着目すると,
となるので,この分母が最小になるとき, つまり,
が最小になるとき ,共振ピークが求まります.
そこでで微分すると
この根は
なので,の正の範囲での場合分けで,共振の有無が分かります.
0<<のとき
根がで共振になります.
<のとき
実数根がのみなので,となり
共振は生じません.
一方で,二次遅れ系の伝達関数の特徴を考えると,
が小さいほど,位相遅れが小さいので,
結局,が,
カットオフ周波数において共振ピークを持たず,
かつ,位相遅れが最も小さい二次遅れ系の伝達関数になり,
扱いやすいローパスフィルタだと考えることができます.
【参考1】
実装も含めた,一次のフィルタについては以下.
【参考2】
N次のButterworth Filterの減衰の傾きは,N×20 dB/decadeになります