大型二種 教習 後記
免許証交付
学科免除なので,申請書を記入し,手数料を納め,適性検査を受けて,写真を撮ったら手続きは完了です.
手数料支払いで申請書を見せると,「すご~い,たくさん埋まってる~」と窓口氏.
懸念していた深視力は,一発で合格しました.練習した甲斐がありました.
今春の準中型新設により,普通が準中型表記へと切り替わり,
さらに表示枠が不足するため,けん引とけん引二種がまとめられて「引・引二」になっています.
これにて大型二種の取得完了です.
バイク以外の全ての自動車を運転できる免許が出来上がりました.
おわりに
連日運転していたら流石に飽きるのではないだろうかと思っていましたが,
毎日毎日,常に新たな発見の連続で,振り返ってみると充実した2週間になりました.
また,合宿でみっちり教習漬けになったことで,どうやったら安全運転を実現できるのか,プロドライバとしてのマインドをしっかり叩き込んでもらえたように感じます.
これからは,同乗した人に,お金を払ってもよいと感じてもらえるような安心・快適な運転を目指していきます.
参考資料
大型二種を取るにあたり参考にさせて頂いた資料.
◆ 徳大寺有恒のクルマ運転術 アップデート版
クルマを運転する全ての人に読んでほしい一冊です.
安全運転のコツが詰まっています.
一つ一つの技術は簡単で基本的なことばかりですが,
路上でちゃんと実践できている人は決して多くはないと思います.
合宿教習に行く前から,運転する前にはサッと目を通して,
読んだ内容を意識しながら運転するように心掛けていました.
◆ 「プロドライバー」の教科書
小さな運送・物流会社のための 荷主から信頼される! 「プロドライバー」の教科書 (DO BOOKS)
- 作者: 酒井誠
- 出版社/メーカー: 同文舘出版
- 発売日: 2014/12/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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プロドライバとしてのノウハウを体系的に学べる数少ない資料だと思います.
本書は,これまで業界で当たり前だった「先輩や仲間の見よう見まねの運転」に対して警鐘を鳴らしており,
初心のトラックドライバが正しいノウハウを体系的に学べるように構成されています.
業界に縁がない一般人の私にも読みやすく,為になる内容ばかりでした.
トラックドライバを対象に書かれていますが,バスドライバも目指すべき方向は同じはずです.
◆ 2D自動車シミュレーター
ブラウザ上で動かせる,簡易的な運転シミュレータです.
「スタート」→「車種・コース変更」で,バスの運転ができます.
前輪舵角の様子が見えるようになっているので,
右左折やバックの大まかなイメージを掴むことができます.
大型二種を取る気がない人でも,「バスってどんな動きをするんだろう?」と興味を持った方は,気軽に試してみて下さい.
◆ 普通免許を取らずに普通車を運転したい
http://www.dab.hi-ho.ne.jp/t-wata/menkyo/bus.html
「大型二種」で検索するとすぐ出てくるので紹介するまでもないでしょうが,
とても詳しく書かれた,一般人による大型二種の教習体験記です.
大型車特有の動きなどが図解されており,とても役立ちます.
大型二種 教習14日目
卒業検定
朝です.
保証込みの合宿なので,卒検落ちまくった方が沢山バスを運転できるし、飯代も浮くのでお得なんですが,
かなり凹むと思うので,やっぱり一発で受かりたいところ.
荷物を全部まとめて,宿舎をチェックアウトしてからロビーに集合です.
合格する前提で物事が進んでいく合宿教習,かなりプレッシャーです.
ロビーに行くと,受験順と走行コースが発表済でした.
路上コースは,結構めんどくさい細い道を含むコース!
そして所内課題は,鋭角+縦列駐車+後方間隔のコースです.
2人1組で1台の検定車を使います.
まずは1番手さんの受験.私は乗客になって見守ります.
1番手さんは,走り終えて交代のときに一言,「これは...やばいっす」
苦笑いしながら,私が運転席に乗り込みます.
シート,ハンドル,ミラーを合わせて,ベルトをして,バッテリ電源入れて,中扉閉め.
サイドブレーキ解除,ギア入れて,ウインカー出して,安全確認をしたら発車です.
安全確認は,2週間毎日やってきたので体に染み付いています.
車内目視,左後方目視,左ミラー,アンダーミラー,車内ミラー,右ミラー,右後方目視の7点です.一時停止なんかで一瞬止まった後でも,必ずこの7点確認をしてからの発車です.
発車したら,さっそく路上へ出ます.国道合流後しばらく行くと,細い県道に入ります.普通車同士がすれ違える程度の道幅しかなく,道沿いの民家からは植木が迫り出している難所です.2,3台居た対向車はみんな積極的に避けてくれましたが、逆にそれに甘えてしまって、スピードを出し過ぎたかな…
植木に軽くミラーを当てた気がするのと、路側帯をちょっと踏んでたような気がする.
難所越えの後,交差点での右折箇所で,曲がった先の道に中型トラックが待っていました.ちゃんと停止線を守っていたので慎重に行けば問題なく右折できたと思うのですが,トラックが気を利かせてバックしスペースを作ってくれました!これは有難い.お礼をしながらゆるりと右折した後,路端停車を3回こなします.これは問題無しかな?
路上課題を終えたので,所内に戻ります.路上と所内の採点の結果、持ち点が計80点以上残っていれば合格です.
所内はとにかく慎重にいきます.鋭角は切り返し2回で余裕をもって通過.
そして縦列.ここは緊張が出て手元が狂いました...縁石に後輪が当たってしまい,やむなく切り返し1回.ギリギリで収めました.
続いて一旦車両を駐車位置から出した後に,改めて後方間隔.車両後端をポールから50cm以内まで近づけて停止する課題です.接触したら即終了なので,絶対に当てないように,超スローで停車.
停車を宣言すると,検定員がメジャーを持って距離を測りに行きます.50cm以上空いていると,もう一度チャンスが与えられるのですが,戻ってきた検定員は「行きましょう」の一言.50cm以内に収まったようです.
油断しやすいのが自分の性格なので,最後まで慎重に,発着点に戻りました.
でも,手応えはイマイチかな...
あとの予定が詰まっているそうで,すぐに合否発表です.
1番さんも私も,さらっと合格を言い渡されました.
私への寸評は,
- 他車に助けられた面が大きいことを認識しておいてください.最初の狭い道でのすれ違いは,一時停止して路肩に入った方が良かったですね.今日のあなたの運転は,「大型車なんだからみんな避けろ」という感じでした.
- 路端停車は概ね良かったのですが,2度目の時に縁石から離れ気味でした.
- 後方感覚は約30cm(正確な値を言われたけど忘れた)でした.
だそうです.
自分で振り返ってみても課題は山積みですが,ひとまず卒業です.
検定中は緊張していたので全く考えもしなかったけど,さっきの運転で最後だったんだ,と思うと急に寂しくなってくる.
運転手志望でない私は,バスを運転する機会は当面ないだろうし,
このエアロスターを運転することはもう二度とないでしょう.
昼食を頂き,卒業式を終えたら,すぐに帰りの高速バスの時刻になりました.
乗り込んだバスは,ほんの数時間前に自分の運転で通った国道を走って行きました.
大型二種 教習13日目
教習おしまい
3種類ある検定コースを全部回って,最終確認です.
第一段階で教わった,鋭角コース,方向転換,縦列駐車,後方間隔も,卒業検定の課題に含まれるので,思い出すように一通り練習します.
概ね上手く走れたと思うのですが,明日への課題のメモ書き
- 街路樹とミラーを何度か当ててしまった.特に路端停車.
- 交差点での右左折の使い分け.
- 細い道での,対向車すれ違い等の対処
1.に関して,
やっぱり街路樹を避けるのが,なかなか難しい.
実際の業務では,やむを得ずにミラーと枝を当ててしまうこともあるだろうけど,
「当ててもいいや~という運転を普段からしている人は,いつか標識や看板にぶつける事故を起こす」
とのお言葉を頂きました.一言一言が重く響きます.
2.に関して,
路上に出たばかりの頃は,所内と同じように後輪を縁石に合わせるようにミラーを見ながら右左折していたのですが,後にそれではダメだと学びました.
重要なのは,曲がった先の道路状況に合わせて,ハンドルを切るタイミングを変えたり,通過速度を変えたりと,右左折を「使い分ける」ことです.
このあたりは,1週間の路上教習では経験が全く足りなくて,
運転士になる方は,事業者での研修や業務を通して,数をこなして覚えていくしかないんでしょうね.
路上は,他車,歩行者の動きに大きく影響されます.明日の検定で,教習中には無かったパターンが起こり,対処できない,というパターンを最も恐れています...
深視力の練習
準中型よりも上位の免許と,けん引には,深視力検査が課せられます.
ザックリ深視力↓
これ,私はとても苦手です.先日の仮免許申請時にも,結果が基準値内に収まらず,何度もやり直しました.
遠近感が掴めてないというより,この機械の見え方が苦手なのかな.
空いてるときは自由に装置を使って練習していいよ,と言われているので,試験場での交付に備えて練習しておきます.
試験場と同じ装置です.
ランドルト環を使ったフツーの視力検査と同じ覗き口から見ます.
ミラーを使った機構になっていて,深視力モードに切り替えると3本の棒が映ります.
試験官目線で見るとこんな感じ.実際に物理的に棒が動いているんですね.
ちなみに,ミラーを使って投影しているので,物理的な動きと被験者に見える動き方は真逆になります.
自分で装置を動かしながら,覗いたときの見え方と,実際の位置を比較し,見え方を確認していきます.30分ぐらいやっていたら要領が掴めてきて,基準値に収まるようになってきました.これで免許交付は大丈夫かな?
最後の夜になりますように.