大型二種 教習11日目
所内を見渡す.
稼働している様子を1度も見ていません.
中型の,いすゞフォワード.こいつは走っているのを見かけます.
エルガミオが稼働しているのを一度だけ見かけて,そんなマニアックな免許を取る人がいるのか~と思ったんですが,どうやらバス事業者の研修だったようで.
大型は,新型いすゞギガ6台!と,日野スーパードルフィンプロフィア1台です.お金かかってる.
けん引は,稼働してるのはUDコンドルだけかな?手前の三菱ファイターは古そう.
大特は,コマツWA100.
けん引と大特は,普通車用のコースに追いやられているので,教習中にすれ違うことはありません.
私の教習では使ったことがない,大型二種の控車が4台寝ています.
ワンステップの三菱エアロスター,日野ブルーリボンと,いすゞエルガ2台.
教習所のパンフレットには彼らの写真が前面に出ているので,色んな車種を体験できるのかなと期待して入校したのですが,
この4台は,バス事業者から研修の委託を受けたときに使う車両だそうです.残念...
ちなみに,大型二種は近々増車されるそうで,散歩してたら近所の自動車工場で新車が整備されているのを見かけました.
やはり神奈中の中古ですが,いつもの教習車より世代が新しく,
エアサス&ワンステップ車だそうです.
危険予測・コメンタリードライビング
今日は3時限連続のセット教習で,
危険予測シミュレータ → 路上でのコメンタリードライビング → その振り返り
を2人の教習生で一緒に受講します.
シミュレータは毎度お馴染みのパターンで特別なことは何も無く.
コメンタリードライビングは,訓練手法の一つで,見えた危険要因と,それに対処する行動を次々に言いながら運転します.「歩行者!一時停止!」「急カーブ!減速!」みたいな感じ.電車の指差喚呼に似てるかも.
口に出すことで,自分がどのように認知→判断しているのかをチェックすることができるというわけです.
興味がある方は是非お試しを.
夜間教習シミュレータ
路上初日に思いっきり夜間運転をしているのですが,一応教習項目としてシミュレータで夜間教習をやらねばなりません.シミュレータでの運転は,ビデオを見る座学と同程度の効果しかないような気がしますが…
それよりも,指導員氏による補足説明の方が勉強になりました.
学科免除の私は,安全運転への教えを説いてもらえる時間が少ないので,真剣に聞いていました.
大型二種を取るにあたり,試験場での一発試験か,教習所に通うか,迷いました.
一発試験は難易度が高く,手間も掛かりますが,教習所に通うよりは安く抑えられたでしょう.
しかし,二種免許保持者としてのプロマインドは,教習所でなければ学べなかったでしょう.これを糧に生涯無事故でいけたなら,この教習代も決して高くはないはずです(と自分に言い聞かせる).
大型二種 教習10日目
応急救護講習(実技)
雨ですが,お外では元気にけん引が走っています.
けん引は,バック課題で,窓から頭を出して後方確認するので,雨降りでの教習はずぶ濡れになります.ガンバって!
私は昨日の続きで,4時間の応急救護です.
この練習台,中にセンサが入っており,正しいポジションを適切なペースで心臓マッサージ出来ているか判定してくれる仕様になっています.手を抜くとバレます.
自分の家族を助けるつもりで,一連の動作を体で覚えて帰って下さい,と言われ,心臓マッサージの練習を何セットかやりました.真剣にやると,2分続けるのでも辛い.
人工呼吸は, 溺れた人を助ける場面以外では,あまり効果がないそうです.感染症の危険もあるので,無理に人工呼吸をする必要はないとのこと.
倒れている人を見かけたら,取り敢えず心臓マッサージをすることが肝要だそうです.
山道での運転
地域特性に合わせた特別項目ということで,山道を運転します.
エンジンブレーキや,その強化版である排気ブレーキを使って,下り坂を走ります.
大型車で怖いのは,下り勾配で止まれなくなってしまうこと.
記憶に新しいのは軽井沢のスキーバス事故でしょう.
スキーバス事故については,教習中も何度か話題になりました.
エンジンブレーキを効果的に使うには,下り勾配が始まる前に,しっかりとシフトダウンをしたうえで,排気ブレーキをONにしなければなりません.
この事故の場合,十分に減速しないまま下り勾配区間に進入し,後からシフトダウンを試みたもののギアが入らず,エンジンブレーキが全く利かなくなり事故に至ったのではないか,と言われています.
真っ暗な峠道で,気が付かないまま下り坂に入ってしまい,どうしようもなくなった...と想像するだけで怖ろしい.
オートマならギアが入らなくなるという事故は起こらないでしょうから,そういった技術の普及を期待したいところです.
街路樹が怖い
普通車だったら,車線に収まるように走っていれば何の問題もありません.
しかしバスだと,高さが3mもあるので,油断していると街路樹の伸びた枝とサイドミラーが接触します.多少のことではバスに傷は付きませんが,検定では危険行為として中止になる場合もあります.客の立場になってみれば,窓にガサガサと枝が当たっていたら,いい気持ちはしませんよね.
街路樹が最も厄介になるのは,路端停車のときです.
路端停車は,バス停を想定した課題で,
「次の電柱に合わせて止めて」と指導員に言われたら,バスの中扉に電柱が合うように停車させます.
うまく街路樹を避けながら路肩に寄せられるコースを瞬時に判断し,
安全確認をしながら,
車体と縁石を平行にして,電柱と 中扉を合わせるのは,かなり難易度が高い操作です.
↑街灯に合わせて止めて,と言われてるであろう様子を目撃
「都会だとバス停の前後に駐車車両が居たりして,もっと大変だよ」
と指導員氏.駐車車両が発進したり,陰から横断者が出てきたり,様々な危険が潜んでいるそうです.
教習10日目まで来ましたが,大型二種の免許を取ること自体は,クルマの運転が好きな人なら誰にでも出来るように思います.じゃあ,バス運転士が誰にでも務まるかというと,それは全く別の話でしょう.
教習では毎日2時間ぐらい空車のバスを走らせるだけですが,
実際の業務では,連日,お客様を乗せたバスを1日中走らせるわけで,その間,常に集中を保ち,安全に気を配り,接客業としてのサービスもしなければならない.
向き不向きの差が大きく出る職業だと思いますし,自分自身の性格を振り返って,絶対に無理だと感じる今日この頃です.
大型二種 教習9日目
トルクが太いディーゼルエンジン
路上は,今日も2時間連続で走ります.そして,早くも卒業検定のコースを巡って確認していきます.
所内と違って落ち着いて変速できるので,
変速ショックが少なくなったように感じます.
一般的に大型車は,発進時は2速を使うように設計されているので,
このバスは5速MT車ですが,普段は実質4速で走ることになります.
2速は,発進してからタイヤが1,2回転ぐらいするまでしか使いません.
ちょっと動いたらすぐに3速に入れいます.
そして,エンジンの回転数が1500 rpm 近くになったら4速へ.
2~4速は近いギア比で設定されており,
市街地ではこの3つのギアを使うことが基本になります.
5速だけは,4速以下よりも大きめのステップでギア比が設定されているので,
教習中は,空いてるバイパスで50 km/h 出す時しか使いません.
もう一つ,路上に出てみて感じるようになったことは,
エンジンのトルクの太さです.
坂道等でスピードが落ちてきて,普通MT車だったらギアを一段落として再加速するような場面でも,
このクルマは,アクセルを踏み込むだけでグイグイ加速していきます.
この,ディーゼルエンジンの力強さには感動しました.
もう普通のガソリン車には戻れない気さえします(笑)
バスの装備
お気に入りの装備をご紹介.
ホイールパーク.大型車用の強力なサイドブレーキです.
フットブレーキと共通のドラムブレーキをスプリングで動作させています.
圧縮空気が入るとブレーキが解除される,フェールセーフ機構になっており,
故障等でエア漏れが起こると,ブレーキが解除できなくなります.電車と同じですね.
レバーを上げてブレーキを掛けると,盛大にエアーが抜ける音がして楽しい.
フィンガーシフト!
バスのシフトレバーは,トランスミッションとは機械的な接続がされておらず,電気的なスイッチになっています.これがフィンガーシフトです.
実際の変速は,ここから発せられた電気信号を基に,エアによって動作するようになっています.元祖・ドライブ・バイ・ワイヤですね.
バスのミッションは車体後端に載っているので,
大昔のバスでは,レバーとミッションをとんでもなく長いロッドでつなぐ必要があり,レバーは重く,変速操作は重労働だったそうです.
フィンガーシフトのおかげでロッドを廃することができ,ノンステップバスも可能になったのです.
操作感は,フツーのMT車と比べてかなり違います.
「ガコっガコっ,入らん!」なんてことは起こらず,軽いタッチで扱えます.
一方,僅かですが応答遅れがあるため,変速操作はワンテンポ遅くなります.
また,ギアが完全に入るまでは内部アクチュエータによってシフトレバーから反力が生じる機構になっており,触覚でギアが入ったかどうか分かるようになっています.
↑教習車と同じ,三菱製ですね.
これ,本当に好きになってしまいました.操作時のメカっぽさが素敵です.将来買うクルマにはフィンガーシフトを付けたい.
先急ぎ運転
タクシーを想定して,お客様からせかされたときの運転行動を考える,という内容です.
追い越ししたりスピード違反したりして運転しても,普通に運転しても,同じ経路では時間は殆ど変わらないよね,ということをシミュレータで確認できるはずなのですが,
トラックに追突されるなど,先急ぎに関係ない事故が起こるようになっており,所要時間の比較が出来ないという,謎仕様のシミュレータでした...
応急救護講習(座学)
応急救護は,普通一種の教習では3時限やるところを,普通,中型,大型二種の教習では倍の6時限もやります.
免許制度に関する話をすると,
一発試験で普通,中型,大型二種のいずれかに初めて受かった場合は,応急救護講習を受講しなければ,免許は交付されません.
しかし,私が持っている大特,けん引二種は,こうした取得時の講習がありません.そのため,大特,けん引二種を持っていて学科がほぼ免除の私も,応急救護は受講しなければならないのです.
↑ 教習中に話をした指導員で,このことを知らない方もいらっしゃいました.大型二種まで取り終わってから,最後の仕上げとして大特二種,けん引二種を取りに行くのが定石なので,この制度を知らない方がフツーでしょう.
そんなこんなで,応急救護の前半戦として,今日は2時限分の座学を受けます.
こうした残念な事故もあったばかりなので,死戦期呼吸の話なんかも織り交ぜながらの講義でした.
AEDは,診断機能付きの機械なので,意識がはっきりしない人が居たら迷わず使えばいいはずなのですが,,,社会的にまだ浸透してないのでしょうね.