MATLAB 効率化のための関数化
他のプログラミング言語と同様,MATLABでもスクリプトを可能な限り関数化することによって,効率よくシミュレーションを行えます.
関数化することによるメリットとしては,
- 可読性が高まる
- 再利用しやすくなる
- 処理速度の高速化に貢献する
といったことが挙げられます.
MATLABのプログラミングにおいてどのように関数をコールすれば高速化ができますか?
jp.mathworks.com
MATLABで関数を作る方法は,3つ考えられるので,整理して紹介します.
1.関数毎に mファイルを作る
最も汎用性が高く,一般的な方法だと思われます.
しかし,一目でプログラムの全体像を把握することが難しく,
関数毎にファイルが増えてしまうため管理も面倒です.
2.スクリプト全てを関数化する
function [] = test_script() % function1, function2 を含むメインの処理の記述 clear; close all; A = function1(1.0, 2.0) B = function2(1.5, 2.5) end function [a] = function1(b, c) % 自作の関数 その1 a = b + c; end function [d] = function2(e, f) % 自作の関数 その2 d = e * f; end
上記の様に記述し,"test_script.m"という名前で保存すれば,
スクリプト内の全部分が関数となる1つのmファイルが出来上がります.
こうすることで,処理の高速化ができ,
mファイルも1つに集約でき管理しやすくなります.
しかし,メイン部分まで関数にすることで,ワークスペースには変数が残らないようになります.
そのため,変数の状況を確認しながらスクリプトを修正していく,という書き方はできません.
3.スクリプトに関数を含める
% function1, function2 を含むメインの処理の記述 clear; close all; A = function1(1.0, 2.0) B = function2(1.5, 2.5) function [a] = function1(b, c) % 自作の関数 その1 a = b + c; end function [d] = function2(e, f) % 自作の関数 その2 d = e * f; end
R2016bから導入された機能です.
自作の関数を,スクリプト内で見渡すことができるうえ,
メイン部分の変数についてはワークスペースに保存されるため,データの様子を見ながらスクリプトを書き進めることができます.
新しい環境が使える方には,大変便利なのでおすすめです.
古い環境で実行しなければならないときでも,メイン部分もfunctionになるように数行書き足すだけ,手法2.と同じように扱えるので,支障ありません.
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